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Brasil旅行(17)

8月4日、旅の15日目、リオデジャネイロ。

この日はリオデジャネイロ在住のフルーティスト熊本尚美さんに案内して頂いて、朝からUrcaという地域にあるショーロの学校の見学に行った。ここで熊本さんが先生をされているのだ。

ショーロは、ブラジル音楽のジャンルのひとつで、リオデジャネイロで生まれたもの。熊本さんは、もともとクラシックのフルーティストとして日本で活躍されていたのですが、この音楽に魅せられブラジルに渡り、さらにその音楽を現地の人たちに教えている!音楽家として本当に凄いことです。

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学校は朝から大勢の生徒さんが来ていてにぎやかな雰囲気。さまざまな年齢の人がいる。この日は学期の最初の日だったそう。
先生は現役で大活躍しているミュージシャンの方々で、熊本さんが色んな人に私を紹介してくださる。あのマウリシオ・カヒーリョ氏もいらっしゃいました。

学校は8:30から始まり、楽器ごとのクラスがレベル分けされていて、あとの時間になるほどレベルが高くなるそう。ふむふむ。

熊本さんのはからいで、色々なクラスを見学できることになった。熊本さんはご自身の授業があるので、わたしが勝手にクラスに潜り込むと言った具合で。

最初の時間は、パーカッションアンサンブルの授業。
色々なCDを先生がかけてくれ、解説してくれる。ポルトガル語がちょっとでも分かればなあ。。

次の時間は、ギターのクラスを見学した。
生徒さんは30人くらいかな?
マウリシオ・カヒーリョ氏ともう一人のギターの先生が、コードのおさえかたを説明しながら曲をすすめていく。そのあと皆で一斉にひく。生徒にも先生にも、PAはありません。学校の高い天井に皆さんのギターの生音がひびいて、聞いているだけで気持ちいい。びっくりしたのは、全員で弾いている状態で誰かがコードを間違えたりしても、絶対にグルーヴが崩れないことです。こんな大勢の人がいて、とにかくぶれずに前に前にいく。じつはこれ、自分の音楽人生で初めて感じた雰囲気です。合間に入るマウリシオ・カヒーリョのフィルインは小粋でお洒落でキラキラしている。このグルーブのなかでそれを聞いているだけで夢心地でした。

次はサックスのクラスへ。
アルト3人、テナーが5人、バリトンが2人、の生徒さん。
今回は音楽にしぼって来たわけじゃないし、大きな荷物が増えるのに心配もあったから楽器は東京に置いてきたのだと自分を納得させつつも、やっぱり持ってくればよかったなあと思いながら、見ていた。
課題曲があって、パートに分かれて練習する。
見ていると、先生の「」が「吹きたい?」と聞いてくださる、そして楽器を貸してくれるという。ありがたやー!
テナーサックスは超・久しぶりだったけど、うきうきして吹いた。
ここでもびっくりしたことがある。皆、アタマの中で「吹こう」と思ってから音が出るまでの時間が、物凄く早いのです。
私なんて吹く前に10コくらいのことを考えてるよ、、
私は日本人で、ここはリオデジャネイロの有名なショーロの学校で、
熊本さんに案内してもらって来ていて、いちおう自分は日本ではプロのミュージシャンで、
あんまりヘタに吹くわけにはいかないな、
などなど(笑)。
少なくともこの場ではいらないし、もしかしたら、いつも、全然いらないかもね、、?
最後に熊本さんのフルートのクラスを見学する。みんな本当にいい音色、素敵なアーティキュレーションです。

そして、全部のクラスが終わった13:00頃、生徒と先生の皆さんが中庭に集合して、
なんと全員で合奏するのです!
全部で、150人くらいの人がいただろうか、、?
フルートの人だけでも20人くらいいるし。
譜面のある人のところに集まって、みんなで譜面を見ながら。
心から楽しい時間でした。
ここのところ、演奏するといえば、仕事か仕事のためのリハーサルか、
あとは自分のための練習か、ここしばらくそんな日常になってしまっていたことに気づく。
ともかく全員の合奏は凄かった。誰かがヨレても誰かがしゃんとしている。グルーブは絶対に崩れない。
おおらかなんです、とにかく。とてもいい時間でした。

こうやって、1年をかけて10曲くらいレパートリーを作り、最後には一般のお客さんを呼んでコンサートをするそうです。素晴らしいなあ。
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熊本さんと、遊びに来ていたリオ在住のギタリスト、ジョアン・リラ氏と一緒にランチを頂く。
ブラジル北東部の郷土料理だそうです。
魚介のココナッツミルク煮込み!
サイッコーでした♪
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この日もItibereバンドのサックス奏者Carolからお誘いがあり、ライブを一緒に見にゆくことに。
Pedra Lispeというグループのコンサートだった。
Tujicaというエリアにあるホールでのフリーライブ。
北東部のリズムをフィーチャーした、かなり洗練されたアレンジとアーティスティックな雰囲気。
ホールの照明もシンプルだけどとても効果的で、見応えのあるライブでした。

会場に、パウロ・モウラの名前のプレートがありました。
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終わったあと、私はSanta Terezaという地域にあるお店に、同じくItibereバンドのヴァイオリニスト、
Carol panesiからのお誘いを受けて遊びに行こうと思っていた。
それをフルートのCarol(名前が一緒なんですね)に話すと、途中までバスで一緒に行ってくれるという、、有難い!
バスの中で、色々と話す。
彼女はUbaという、ミナスジェライス州の街の出身で、大学に行くためにリオに出てきたこと。
ご両親は音楽をやることをあまりよしとせず、しかたなく大学では別の専攻にしたこと。
最初にピアノをやって、それからずっとフルート、サックスを吹き始めたのはここ一年、とのこと。
でもあまり良い音が出なくて悩んでいる、ということ。
その話に、つい言ってしまった「一緒に練習しよう」と。
翌日の夜中の飛行機で帰る予定だったが日中は時間があるし。。

彼女と分かれたあとタクシーでSanta terezaに向かう。
Santa terezaは古い街並を残した、山の中腹にある地域。
雰囲気のいいレストランの奥で、Carol panesiは演奏していた。
基本的にはヴァイオリン、曲によってはピアノ。
ああこの人も絶対音感があり、感覚でどんどん曲をさぐって発展させていける人なんだなと、聞いていて思う。
バンドは彼女と、ギターが二人、そして先日Itibereのワークショップで会ったNYから来ているバリバリのジャズサックスプレイヤー、Alejandro Aviles。(彼も、遊びにきていたらしい。)
ライブではなく、BGMといった雰囲気で演奏はすすんでいく。
ショーロ、ボサノヴァ、サンバ、フォホー、色々なジャンルのブラジル音楽が次々と。
私も楽器を持っていたので参加させてもらった。こういうところ、ホントおおらかだよなあ〜。
そのうち、私が知っている曲がネタがつきてきて、、Alejandro Avilesもふくめて皆が知ってる曲は、もうないんじゃないかという窮地(笑)
Carol panesiが気をきかせて、Joan donatoのLugar communを提案してくれた。うん、これなら大丈夫^^

Alejandro Avilesに、普段どんなウォーミングアップとか練習をしてるの?
と聞いてみる。さっきの、Carolとの練習の話があったから。
そしたら、シガード・ラッシャーのテキストを使っていると思う。
そうだよね、分かる、私もそうしてるし。彼はそういう音をしている。ふむふむ。

帰りに、Carol panesiとその日のギタリストの彼を一緒にピザを食べにゆく。
具をチョイスして2種類のピザをいただく。
Carol panesiに何故Itibereバンドのメンバーになったかを聞いてみると、彼女はもともとワークショップに参加したのがきっかけだったそうだ。
ミュージシャンになるつもりは全然なくて、ただヴァイオリンはやっていたので軽い気持ちで行ってみたらすっかりとりこになり、
仕事としてやってみたいと思うようになったという。
それから10年、
今はItibereワークショップの助手もつとめている。
彼女が演奏する楽器は、ヴァイオリン、ピアノ、トランペット(!)。この持ち替えはスゴイね。
トランペットの音色と、吹いているときの身体の感じ方が好きなんだそうだ。
ああ、分かるな〜それ。私がサックスを吹いているのと同じ理由です。

同世代のミュージシャンとの話、面白い。
これから、みんなどんな風になってゆくのでしょう?
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by yamakamihitme | 2012-11-27 09:14 | ブラジル旅行の巻

Brasil旅行(16)

8月3日、旅の14日目、リオデジャネイロ。

この日はリオ在住のフルーティスト、熊本尚美さんに案内していただき、セントロという地域に足をのばした。
滞在先のラランジェイラスからメトロ(地下鉄)で向かう。
自分ひとりで行動するのも勿論面白いけど、誰かと一緒に、しかも案内してもらうなんて格別♪
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フェイジョアーダのランチを頂きながら、熊本さんのお話を色々聞く。

ミュージシャンとして、ブラジルという国に住むのは本当に凄いことだと思う。
熊本さんはショーロという音楽にひかれ、導かれるようにしてブラジルに行き、そして住んでいる。。
何回も書くけど凄いことです。
自分は生まれてからずっと、東京に住んでいる。そのなかで引っ越したりはしているけれども、地域的にはずっと東京にいるわけで。
住む場所って、選べるんですね?
知らなかったなあ。。

CDショップをうろうろ。せっかくなので、サックスをメインにしたインストのCDを買い込む。
この日の大収穫は、「Brasileiro Saxphone」Nailor Provetaのアルバムです。
奥原貢くんのブラジル録音のアルバムで初めてその軽やかで優しい音色を聞いて、ずっと憧れていたProvetaのソロアルバム。
熊本さんはこのアルバムにもフルーティストとして参加されています。うーん、凄いっ!
それから、初めて名前を知ったLuiz Americano。素朴な、初めて聞くのに懐かしい気持ちになる音。とっても好みです。
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その後、楽器屋さんが沢山ある通りに連れていってもらった。
私はサックス、フルートを吹いているので、どうしてもその楽器たちの演奏に耳がいくのですが、
ブラジルのミュージシャンの音色は本当に素敵です。
美しいし、でも美しいだけでなくてとても芳醇。
どんな楽器を使っているんだろう、と前から興味がありました。
熊本さんいわく「日本の楽器店の品揃えとは違うから」ということでしたが、
楽器屋さんに着いてナットク。管楽器に関していえば、とにかく本数が少ないのです。
(サンパウロは違うかも、とのことでした)
リードについては、他のものの物価を考えるとかなり高価に感じられました。
東京の管楽器屋さんに行くと、ひとつの楽器屋さんにアルトサックスが何十本もあったりします。
メーカーもさまざまですし値段の幅もあり、つまりは選ぶ余地がかなりあるのです。
リードも以前より少しずつ値上がりはしているものの、買いにくい値段ではありません。
熊本さんによると、海外をツアーするようなミュージシャンはツアー先で楽器を購入したりするそう。
でも、始める段階では限られたうちの楽器を吹くということですよね。
私も一応のこだわりはあり、マウスピースやリガチャー、リードの組み合わせ、
過去に色々なものを試しました。
マウスピースは、同じモデルのものを複数試し吹きをして購入したり。
勿論その過程が悪かったとは思わないのですが。。
そういうことじゃないのかもね??
どんな楽器を吹いても「その人の音」になる、それは頭では分かっていたつもりでしたが、
腑に落ちました。

この日の夜は、Itibereバンドのサックス/フルート奏者、Carolがライブに誘ってくれたので
ラパという地域にある「カリオカ・ダ・ジェンマ」というライブハウスに行きました。
ラパは、ライブハウスやクラブが沢山集まった場所で、金曜日の夜だからか、タクシーから降りるともう大変な混雑です。
この日はサンバのバンドで、管楽器はCarol一人でした。
ライブは夜の9時半からはじまり、時間が遅くなるにつれてどんどん混んできました。
ビールを飲みながら演奏を聞きます。
初めて、Carolが人前で吹いているところを見たのですが、強烈なリズムを繰り出す屈強な男子たちに
混じって果敢にサックス、フルートでオブリガートを入れる彼女を見て、物凄く共感。。
彼女は絶対音感があるんだな〜。分かるなあその感じ。
終わったあとに聞いてみるとやはり彼女は絶対音感があり、覚えた曲は全てのキーで吹けるという。ふむふむ。演奏している人のアタマの中をのぞくことは出来ないけれども、そんな感じ方で吹いているのが、聞いていると感じられる。面白いなあ。
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彼女と一緒にもう一つのバンドを見てから、別のお店に移動。
通りはさらに凄い混雑ぶりで、開け放したお店のドアから色々な音楽が聴こえてくる。
Carolは露店で缶ビールを買い、歩きながら飲んでいた。
私も時々そういうことするんですが、そんなことする女性は自分くらいだろうと思っていたので、地球の裏側で同じことをしてる彼女にまたもや共感(笑)。
Itibereバンドのドラマー、Ajurinã Zwargが演奏しているお店をたずねる。
ピアノトリオでした。この演奏もすごかったなあ。自由になれるだけの演奏技術、でも最初にあるのはその場その場のインスピレーション。
すごくて美しくて見ていて面白い。洗練されすぎてもいない。私はアドリブとか即興とかインプロヴァイズとか、、それらの言葉を誤解していたかもしれない。
写真は、ある曲でピアニストが突然フルートを吹き出したところ。
いいんですね、発想は自由で。
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by yamakamihitme | 2012-11-20 00:50 | ブラジル旅行の巻


sax&flute player ヤマカミヒトミの日々。


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